しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

学び続ける意欲

日本銀行の黒田総裁が今月12日に、
政策研究大学大学院の学位記授与式で行った挨拶を興味深く読みました。

黒田総裁は、修士・博士課程を修了する学生に対し、
自らの様々な経験を踏まえて、
政策の立案・遂行に関わる際には、次の3つのことが大切だと述べられていました。

 1 理論と実践の調和を図ること
 2 自らの考えを纏め、外部の評価にさらすこと
 3 多様性を重んじること

このうち、1の「理論と実践の調和を図ること」については、
『実践的なアプローチに加えて
 理論的なアプローチを意識の中に置いておくことで、
 現実の問題から少し距離を置いて
 物事を俯瞰的・立体的に捉えることが出来るようになり、
 政策立案能力に幅がでてくる』と述べられています。

そして、その具体的な事例として、
1980年代後半から1990年代初めにかけて主税局の課長として、
消費税導入や所得税減税の検討作業に参画した際に、
「最適課税論」を英国の大学院で学んでいたことが非常に大きな意味を持ったことを
挙げられていました。

黒田総裁の挨拶を読んで、
「最適課税論」の意味を知ったことも収穫でしたが、
『学部生の頃から、法律だけでなく経済学や法哲学など幅広い分野に関心を持ち、
 それらについての基礎的な素養を身に付けていたことが、
 ふと訪れたチャンスを逃さないことに繋がった面もあると思っている。』
という考え方に、大いに共鳴するところがありました。

私がこれから基礎的な素養を身に付けてくことは、
もう若くないので、残された時間があまりないかもしれませんが、
それでも学び続ける意欲だけは持ち続けていたいと思っています。