久しぶりに朝日新聞「折々のことば」から……。
今日の「折々のことば」は、コラムニスト・故天野祐吉さんの
『日本は一位とか二位とかを争う野暮(やぼ)な国じゃなくていい。
「別品」の国でありたいと思うのです。』という「ことば」でした。
「別品」は「べっぴん」と読んだのでいいのでしょうか?
私は今まで、美人さんを指す、「べっぴん」という単語しか知りませんでした。
この「別品」の意味を、鷲田清一さんは次のように解説されています。
『別品とは普通の物差しでは測れない優れもの。
主流ではないが、時を経ると、
「どちらが一位であるかわからないような状況」の生じる可能性があるもの』
う~む……。このような解説を読むと、
「別品」という「ことば」が、とても品格のある「ことば」に思えてきました。
また、鷲田さんの解説によると、天野さんは、
「この国は、成長という過去の夢を再び追うべきでなく、
成熟を旨とする国として再生すべきだ」とおっしゃっていたそうです。
「成長から成熟へ」という時代の流れは、
確かにそのとおりだと思うのですが、
もう一つの「別品」については、日本は果たして「別品の国」なのかと思います。
ところで、通常国会は今日、150日間の会期を終え閉会しました。
安倍首相はこれを受けて記者会見し、
2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを
19年10月まで2年半延期すると正式に表明されました。
増税延期によって、「別品の国」への道が遠ざからないようにしたいものですね。