『死ぬほど読書』(丹羽宇一郎著:幻冬舎新書)を読了しました。
読書に関する名言がいっぱい詰まった本でした。
例えば、次のような……。
・人間にとって一番大事なのは、
「自分は何も知らない」と自覚することだと私は思います。
「無知の知」を知る。読書はそのことを、身をもって教えてくれます。
・読書は何かしらの効用だけを目的にしていては、
そこから本当にいいものを吸収することはできないと思います。
楽しいから読む。わくわくするから読む。心が潤うから読む。
そういう気持で読むから本はいいのです。
読書は無償の行為ゆえに無上の値打ちを持っているのです。
・どんなものでも数多く読めば、必ずいろいろな好奇心の種が心に播かれます。
すると、その種が発芽し、いままで馴染みのなかった類の本に食指が動く。
それとともに読書の幅が広がり、読む本のレベルも上がっていきます。
・本で出会う言葉と体験は互いにキャッチボールしながら、
その人の人生をつくっていくのだと思います。
つまり本で読み、心に刻まれた内容は、必ず生き方に表れる。
そのなるためには、心に響く言葉は反芻してじっくり味わい、
さまざまな体験について、それを洞察する視線を常に持っていないといけません。
・読書は自分の内面に降りていき、自分自身と対話しているかのように見えますが、
同時に著者とも対話しているのです。
小説であれば、さまざまな登場人物とも対話します。
ですから、その意味においても読書をすることはけっして孤独ではありません。
はぃ、どの内容もとても参考になります。丹羽さんはこのほかに、
『好きな本を読みふけっている最中に忽然と死を迎えるのも悪くない…。』とか、
『私が人生の最後に見る風景は、やはり本に印刷された文字と、
それを介して想像される未知なる世界なのかもしれません。』と書かれていました。
なお、本書では、「一日の読書時間が「0分」の大学生が約5割に上がる」
という記事と、「読書はしないといけないものなのか?」という
記事に対する大学生の方の投書が紹介されていました。
確かに、「本を読む、読まない」はその人の自由だと思いますが、
私自身、自分の人生の持ち時間が少なくなると、
「高校生や大学生の頃にもっと本を読んでおけばよかった」と、
痛切に反省しています。なぜそのように感じるのか…?
その答えを、丹羽さんの次の一言に見つけたような気がします……。
『すなわち、読書はあなたをまがいものではない、
真に自由な世界へと導いてくれるものなのです。』