『理科系の読書術~インプットからアウトプットまでの28のヒント』
(鎌田浩毅著:中公新書)を読了しました。鎌田教授の本らしく、実に面白くて、役に立つ内容でした。
まず、なぜこの本のタイトルに「理科系」という言葉がついているのか、
鎌田教授はその趣旨を、次のように述べられていました。
『世のなかには読書術について述べた本がたくさん出版されている。
そのなかにはよく書かれている本もあるが、かなり面倒でとても実行できない方法が多い。
その本の著者自身は大変几帳面だから実行できるのだろうが、
「私には到底無理だ。」と思わざるをえない本が多数ある。
これに対して、本書で提示したのは、ズボラで常に楽をしたがる人に向けて私が編みだした、
理系的な手抜き読書術なのである。楽をするというのは、科学技術の基本にある考え方である。
もともと理系人は楽をしたがる人種なのだ。
しかも理系人は「システムで世界を見る」という考え方を持っている。
換言すれば、楽のできるシステムとは何かをいつも模索しているのだ。
したがって本書でもさまざまな方法を紹介したが、読者が現在持っているシステムよりも簡単で、
しかも効果のあるものだけを使っていただきたい。』
う~む‥‥、鎌田教授はこのようにおっしゃていますが、
本書に書かれている内容をよく理解して、実行に移すことは、決して楽ではないと思います。
そして、本書各章の章扉の裏には、各章のポイントが4つの「キーフレーズ」で提示されていました。
後で「簡単に」全容が思い出せるよう、私も次のとおり書き残しておきたいと思います。
第1章 本と苦労なく向き合う方法
①途中で読むのをやめてもいい、②15分だけ集中して読む、③「2:7:1の法則で読む」
④情報は三つだけ取ればいい
第2章 難解な本の読み方
①「小見出し」ごとに読む、②解説と「あとがき」から読んでもいい、③「棚上げ法」で読む
④「不完全法」で読む
第3章 多読、速読、遅読の技術
①「速読」に向く本、向かない本がある、②遅読のススメ、③読み方を変えて三回読む
④続かないのは意志が弱いからではない
第4章 アウトプット優先の読書術
①「知的消費」と「知的生産」を分ける、②解ける問題から取り組む、③「割り算法」で読む
④持ち時間を意識して情報を収集する
第5章 本の集め方、整理の仕方
①少額でも本を毎月買ってみよう、②入門書は三冊手に入れる、③本は表紙とタイトルで選んでよい
④本の整理は美しさより使い勝手で
第6章 読書メモの取り方
①本は「文房具」として使い倒す、②探しものの無駄な時間を省く
③「単純作業」と「考える時間」を分ける、④楽をして成果を上げる理系的方法
補章 読まずに済ませる読書術
①本は容易に再入手できる、②「愛蔵」は「死蔵」かもしれない、③読書で「想定外」に対処する
④「今、ここで」を生きる読書術
ふぅ~、ここまで書いて疲れました‥‥。
とにもかくにも、いつも手元に置いておきたい本が、また一冊増えました。(苦笑)

理科系の読書術 - インプットからアウトプットまでの28のヒント (中公新書)
- 作者: 鎌田浩毅
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2018/03/20
- メディア: 新書
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