今日の朝日新聞デジタル版「波聞風問(はもんふうもん)」に掲載された
原真人・編集委員の執筆による『財政規律 失われゆく「あるべき論」』というタイトルの記事を読んで、
少なからぬ驚きを覚えました。
記事では、健全財政を否定する次世代の政治家について、次のようなことが書かれていました。
『借りたお金は返さないといけないというのは古今東西、共通のルールだろう。
政府だって同じ。借りたものは必ず返す。
万一返せなければ財政は破綻(はたん)し、国民への行政サービスが提供できなくなる。
政治家にとってそんなことは常識中の常識だ。もちろん現実は理想通りいかない。
増税や歳出削減は不人気政策なので、借金財政の改善はいつも先送りされがちだった。
それでも「財政再建」の旗がおろされることなど、ありえなかった。
持続可能な財政は国家運営の要だからだ。ところが最近はそうも言えなくなってきたようだ。
自民党の「日本の未来を考える勉強会」の若手議員34人が
5月初めに発表した提言はちょっとした驚きだった。
消費増税の当面の凍結、当初予算3~4%ずつの拡充、
政府が設ける基礎的財政収支の黒字化目標の撤廃‥‥。再建努力そのものを否定するような項目が並ぶ。
「行政コストは必ず税収でまかなわなければならないという考え方がそもそもまちがい」と
会の呼びかけ人代表・安藤裕衆院議員。
「政府は税と国債という二つの収入をその時々で使い分ければいい。
それでも財政破綻は起きない」と言い切る。』
う~む、そんなものなのかな‥?ちょっと違うと思うけど‥‥。
なお、記事では、長く経済政策をウォッチしてきたみずほ証券・上野泰也さんの
「自民党若手の間でここまで財政規律がゆるんだのは衝撃的」
「日本銀行の大規模な国債買い入れで市場の警告機能は完全に失われている。
政治でも財政規律が失われれば、これまでとまったく別の日本になってしまうのではないか」
とのコメントが紹介されていました。
私は、日本経済に関しては、持続的な成長を信じる楽観論者だと自覚していますが、
一方で、日本の財政に関しては、このままでは破たんするのではないかと心配する悲観論者でもあります。
どう考えても、「なんとかなる」では済まないような気がします。