日経新聞では今月から、野中郁次郎・一橋大学名誉教授の「私の履歴書」の連載が続いていて、
私はその記事を毎日楽しみにして読んでいます。
連載第18回目の今日は、名著「失敗の本質」(中公文庫)の執筆過程が書かれていて、
とても興味深く読みました。今日、特に印象に残ったのは、次の二つの記述でした。
『日本軍の戦略は目的が不明確で、短期決戦を志向する。
結果よりも動機やプロセスを人材評価の基準にする組織だった。
「過去の成功体験への過剰適応」という命題で日本軍の欠陥を浮かび上がらせた。』
『84年、「失敗の本質」をダイヤモンド社から出版した。持ち込んだ原稿は分厚く、
タイトルが暗いと出版社は乗り気ではなかったが、
当時の新社長と私が知り合いだった偶然の縁で何とか出版にこぎつけた。
最初は全く反応がなかったが、後に複数の国で大使となる、全く面識がない岡崎久彦氏が、
週刊文春に好意的な書評を寄せたのをきっかけに売れ始め、ベストセラーとなった。』
へぇ~‥‥、そうだったのですか‥‥。
「失敗の本質」がベストセラーになったのは、岡崎さんの「書評」がきっかけだったのですね‥‥。
その書評にはどんなことが書かれていたのでしょう‥‥? 一度読んでみたいです。
その岡崎さんというお名前は、「かんべえ」さんの「溜池通信」に度々登場するので、私も覚えていました。
ある本が世間一般に知れ渡って、ベストセラーになるのは、「書評」の役割がとても大きいのですね‥。
かくいう私も、日経新聞土曜版の「書評」などを読んで、購入した本が数冊あります。
そのいずれもが、買ってよかったと思える本だったと記憶しています。