高度経済成長まっ盛りの1969年だったことを、今日の日経新聞「文化欄」に掲載された
『寅さんが生きづらい時代』という記事を読んで知りました。
記事の冒頭には、次のようなことが書かれています。
『高度経済成長まっ盛りの1969年の第1作から50年。
シリーズ第50作「男はつらいよ お帰り寅さん」が27日公開される。
寅次郎は旅から戻らず、周りの人々はそれぞれに年をとった。
令和の寅さんに何が映ったのか。山田洋次監督に聞いた。』
へぇ~、そうでしたか‥‥。1969年といえば、私は中学二年生でした。
50作もある寅さんシリーズは、もっと以前から上映されていたと思っていました。
ちなみに、この記事では、山田洋次監督の、次のような印象深いお言葉がありました。
・今の時代はいかに人々が孤独に生きているかということじゃないかな。
50年前に比べると、この国は住みづらく、寂しくなった。
そんな時代になってしまったという感慨が僕にはある。
50年前の日本人は今より幸せだったんじゃないかな。
・トランプ大統領は米国第一だけど、寅というのは自分の幸せは最後にする人間でしょう。
まず俺が幸せになるということをまったく考えない。俺は最後でいい。
目の前に不幸な人がいたらその人を助けるのが第一だというふうにして、生きてきた。
そういう寅さんが生きづらい時代になっている。
そういう人間の値打ちを認めるという価値観が希薄になっている。
・隣近所との付き合いも希薄になった。
人間同士がトラブルを起こし、トラブルを解決する、その中で新たな人間としての愛情がわく。
そんな経験が少なくなり、付き合い方が下手になった。
寅さんの家族みたいにしょっちゅうけんかしていれば、修復の仕方も知ってる。
修復することを考えながら、けんかしているからね。人間関係についてのベテランですよ。
今はそうはいかない。
う~む、なるほど‥‥。
そういえば、佐川満男さんの歌に、『今は幸せかい』という名曲がありました。
♬ 今は幸せかい 悔やんでみても 今は幸せかい 君はもういない
懐古主義に浸るわけではありませんが、私も個人的には、50年前の方が幸せだったように思います。
質素な食卓を囲んでの家族団欒のひととき‥。でも、社会全体に未来への希望がありました。
さて、話は変わりますが、我が家の庭のヤマモミジは、ようやく紅葉が見ごろとなりました。
先週まで残っていた緑の葉っぱはすっかりなくなり、一枚、そして一枚と、
紅葉は枯れ葉となって地面を覆い尽くそうとしています。
ところで、この落葉は、誰が後片付けをするのかしら‥? なにか嫌な予感がします‥‥。