町立図書館で借りて来た『女帝 小池百合子』(石井妙子著:文藝春秋)を読了しました。
「第52回(2021年)大矢壮一ノンフィクション賞」の受賞作品とのことで、
書棚から迷わず選んだのですが、その賞にふさわしく、迫真に迫る内容で、一気に読んでしまいました。
ただ、通り一遍の感想やコメントを書くのは、とても難しい本だと思いました。
本書を読む限りでは、小池百合子という稀有の政治家(政治屋?)について、
「嘘つきで、冷淡で、しかも政治信条のない人物」というネガティブな印象を、
どうしても持ってしまうからです。
いや、それよりも、権謀術数が渦巻いてドロドロとした、政治の世界の怖さを垣間見たような気がします。
著者は、本書の「あとがき」で、
『ノンフィクション作家は、常に二つの罪を背負うという。
一つは書くことの罪である。もうひとつは書かぬことの罪である。
後者の罪をより重く考え、私は本書を執筆した。』と書かれていました。
ページ数にして444ページ‥。
よくぞここまで‥という、力作であることは間違いのない「ノンフィクション」だと思います。