町立図書館で借りてきた『月の満ち欠け』(佐藤正午著:岩波書店)を読了しました。
そもそも本書は、輪廻転生の本なのでしょうか? 不思議な読後感が残った本でした。
「謎に満ちた本」という点では、三島由紀夫の「豊饒の海」と共通点があると感じましたが、
「豊饒の海」の方が読者の想像を掻き立てるものがあり、
本書はちょっと転生のストーリーがストレートすぎるような気もしました。
本書で印象に残ったのは、やはり「瑠璃も玻璃も照らせば光る」ということわざでしょうか。
「瑠璃も玻璃も照らせば光る」とは、「すぐれた素質や才能がある者は、どこにいても目立つというたとえ。
また、そのような者が活躍の場を与えられたときには能力をいかんなく発揮するということ。」。
ネットで調べると、このような解説がありました。
「会いたい人に会えないままこの世から消えてしまった」瑠璃という名前に由来する女性の、
愛のバトンの受け渡しの物語であったことが、本書を読み進めるうちに理解できたと思います‥‥。