昨日の日経新聞一面コラム「春秋」に、次のようなことが書かれていました。
『‥‥性同一性障害の経産省職員が女性用トイレの使用を制限された問題をめぐり、
最高裁第3小法廷は国の対応を違法とする判決を下した。
性自認尊重で5人の裁判官が一致したのだから時代の変化を感じさせてあまりある。
加えて注目したいのは、全裁判官が思い思いに補足意見を書いていることだ。談論風発と言っていい。‥‥』
気になったので、この判決の全文を読んでみましたが、
コラムに書かれているように、確かに、全裁判官が補足意見を書かれていました。
その中でも、例えば、女性の裁判官は、次のようなことを述べられていました。
『‥‥以上のとおり、トイレの利用に関する利益衡量・利害調整については、
確かに社会においてこれまで長年にわたって生物学的な性別に基づき男女の区別がなされてきたことや
そのような区別を前提としたトイレを利用してきた職員に対する配慮は不可欠であり、
また、性的マイノリティである職員に係る個々の事情や、
例えば、職場のトイレであっても外部の者による利用も考えられる場合には
不審者の排除などのトイレの安全な利用等も考慮する必要が生じるといった
施設の状況等に応じて変わり得るものである。
したがって、取扱いを一律に決定することは困難であり、
個々の事例に応じて判断していくことが必要になることは間違いない。‥‥』
はぃ、私も、トイレの利用に関する利益衡量・利害調整については、
取扱いを一律に決定することは困難だと思いますし、
だからこそ、全裁判官がそれぞれの補足意見を披歴されたのだと思いました。
いゃあ、それにしても、トイレの利用に限らず、
世の中のあらゆる分野において、「利益衡量・利害調整」はとっても難しい問題ですよね‥‥。