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しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

答えは見つからない

『来年4月の消費再増税の際に導入される軽減税率の規模、対象品目を決めたのは、

 それまで決定権を握っていた自民党税制調査会でも財務省主税局でもなく、

 首相・安倍晋三官房長官菅義偉だった。』

 

このような書き出しで始まる記事を執筆されたのは、

時事通信社特別解説委員の田崎史郎さんです。

昨日15日、「iJAMP」の「永田町情報」に掲載されていました。

 

「安倍一強は悪か」という記事のタイトルの「答え」は、次のような内容でした。

『「安倍一強体制」を象徴する出来事だ。

 だが、税調と主税局が税の決定権を握ってきたこと自体、おかしいのではないか。

 なぜなら、彼らは国民に対して説明する義務を負っていないからだ。

 国民に説明するのは、選挙で選ばれた国会議員による

 首相指名選挙で選出された首相だ。その首相をないがしろにして決めてきた、

 従来のシステムこそが間違っていたのである。

 安倍一強は負の側面ばかりではない。』

 

記事によると、自民党税調は時の総裁(首相)や、

幹事長ら党三役の影響力が及ばない「独立王国」で、

党税調のインナーと呼ばれる数人が財務省主税局と手を握り、

税の仕組みや税率を決めてきたとのことでした。

こうした決定の仕方について、菅官房長官は次のように語っていたそうです。

『税調と主税局は一体だ。

 主税局になぜこうなっているんだ、と聞くと、党税調で決まりましたと答え、

 税調幹部にただすと主税局でそうなっています、と言う』

 

この菅官房長官のコメントを読んで、

同じ日に朝日新聞「折々のことば」にあった

作家・井上ひさしさんの言葉と鷲田清一さんの解説が、

とても重くて深みのあるものに感じました。

その井上さんの言葉と鷲田さんの解説は、次のような内容でした。

 

『みんな、「戦さになってしまって」とか、

 「戦さが起ってしまって」とか云(い)ってるよ。(井上ひさし)』

 

『戦後何年経っても、「私が戦争をはじめました」と認める人は

 ついにいなかったと作家は言う。

 気がつけばそんなことになっていた、というのが誰も彼もの言い草だった。

 「した」ことがいつのまにか「なった」ことへとずらされてしまう。

 進んで責任を負おうとしないこの習性は、政治家や官僚という以上に、 

 彼らに任せきった私たちのものだ。戯曲「花よりタンゴ」から。(鷲田清一)』

 

田崎さんの記事にあった「税の決め方」だけでなく、

日本には「誰も責任を負わない」システムが染みついているのかもしれません。

日本と日本人の深層には、丸山眞男のいう「無責任の体系」があり、

「自立した個人」が日本にはいないということなのかな…?

かといって、「安倍一強」がさらに強化されると、

今度は、山本七平のいう「場の空気」で物事が決まってしまう…、

そんな心配もあります。

 

両方の記事を読んで、「安倍一強体制」をどう評価すればよいのか、

私がいくら考えても、答えは見つかりそうにありません。(苦笑)

 

丸山眞男セレクション (平凡社ライブラリー ま 18-1)

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「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

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