今月6日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、社会学者・上野千鶴子さんの
「自分のなかのよきものを育てたいと思えば、ソントクのある関係からは離れていたほうがよいのです。」
という言葉で、いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『作家・鈴木涼美(すずみ)に「なぜ男に絶望せずにいられるのか?」と問われた社会学者は、
人を信じられるのは「信じるに足ると思えるひとたち」と出会ってきたからだと答える。
人を損得で値踏みしていると、視線はブーメランのように舞い戻ってきて、
自分をも値踏みの中でしか認められなくなる。共著「往復書簡 限界から始まる」から。』
はぃ‥、上野先生のお言葉も鷲田さんの解説も、含蓄に富むものがありました。
そういえば、確か小学4年生の時、担任の男の先生が通信簿に、
「損得勘定で物事を考える傾向がある」と書いていた記憶があります。
母からも厳重に注意されましたが、その当時の私は、指摘された意味がさっぱり分かりませんでした。
はて、小学生の私に、どのような問題ある言動があったのでしょう‥?
あれから半世紀以上も経って、まだその傾向が改善されていなかったとしたら、
「自分のなかのよきもの」が、私にはまったく育たなかったことになります‥‥。