しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

自分のなかのよきもの

今月6日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、社会学者・上野千鶴子さんの

「自分のなかのよきものを育てたいと思えば、ソントクのある関係からは離れていたほうがよいのです。」

という言葉で、いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。


『作家・鈴木涼美(すずみ)に「なぜ男に絶望せずにいられるのか?」と問われた社会学者は、

 人を信じられるのは「信じるに足ると思えるひとたち」と出会ってきたからだと答える。

 人を損得で値踏みしていると、視線はブーメランのように舞い戻ってきて、

 自分をも値踏みの中でしか認められなくなる。共著「往復書簡 限界から始まる」から。』


はぃ‥、上野先生のお言葉も鷲田さんの解説も、含蓄に富むものがありました。

そういえば、確か小学4年生の時、担任の男の先生が通信簿に、

「損得勘定で物事を考える傾向がある」と書いていた記憶があります。


母からも厳重に注意されましたが、その当時の私は、指摘された意味がさっぱり分かりませんでした。

はて、小学生の私に、どのような問題ある言動があったのでしょう‥? 

あれから半世紀以上も経って、まだその傾向が改善されていなかったとしたら、

「自分のなかのよきもの」が、私にはまったく育たなかったことになります‥‥。

若者の「心をとらえた」本

今日の日経新聞一面コラム「春秋」に、「されど われらが日々――」のことが書かれていました。

このコラムの冒頭は、次のような文章から始まります。


東京女子大の1年生が、自信に満ちあふれた東大の男子学生に恋をした。

 その思いが一気に冷める瞬間を柴田翔の小説「されど われらが日々――」は描く。

 舞台は1955年。まだ学生の左翼運動が活発だった頃で、

 2人はそうした研究サークルのひとつで出会った。

 政治、社会、国際情勢と、あらゆる質問に答える男子学生。

 しかし指導者と仰ぐ政治家らの路線転向で、自分が借り物の知識を振りかざしていたと気づく。

 その後悔を聞いた女子学生の心は相手から離れ、

 2人は自らの足でしっかり立つことから社会人としての歩みを始める。

 作品は発表当時、多くの若者の心をとらえた。‥‥』


はぃ‥、かくいう私も、この本に心をとらえられた若者の一人で、

この日記にも、「最も忘れ難い本」として、何度も引用させてもらいました。

そして、さきほどのコラムは次のような文章が続きます。


『正解のない疑問に迷い、不安から身近で明快な答えに飛びつく。

 いつの時代も若者を待ち受ける落とし穴だ。今は動画サイトの投稿もその役割を担う。

 料理や音楽など楽しい映像に交じり歴史、科学、医療、生き方などの解説が山をなす。質は玉石混交だ。

 ためになる動画も多い一方、良識や専門知から外れた説も目立つ。

 疑問があればすぐ検索という時代。しかも長い文章より短く言い切る動画が好まれる。

 先日ホームレスの人々の命を軽んじる発言で人気投稿者が非難されたが氷山の一角にすぎない。

 投稿動画でものの見方を身につけた世代が社会の主力になっていく。

 常識を欠いた言動をとる政治家の陰にもそうした支持者の姿を感じる。』


コラムの前半と後半は、「自分が借り物の知識を振りかざしていた」と

「正解のない疑問に迷い、不安から身近で明快な答えに飛びつく」でつながるのでしょうか?

それが「いつの時代も若者を待ち受ける落とし穴」だとしたら、

ちょっとコラムの展開は、私の受け止め方と違うような気がしました。


「いつの時代も困難があり、いつの時代もその困難を乗り越えようとする若者がいた」というのが、

この本を読んだ当時、大学生だった私の「心をとらえた」のだけれど‥‥。

「明治改元の日」の雑感

「こよみのページ」のHPによると、今日は「明治改元の日」とのことで、次のような解説がありました。

『1868年9月8日(旧暦)のこの日に「明治」と改元された。

 「明治」は「易経」の「聖人南面にて天下に聴き、明に嚮にして治む」からとって決定された。』


また、ウィキペディアによると、「聖人南面して天下を聴き、明に嚮(むか)ひて治む」とは、

「聖人が北極星のように顔を南に向けてとどまることを知れば、天下は明るい方向に向かって治まる」

という意味だそうです。


そして、今日、自民党総裁選では、高市早苗総務相が正式に出馬を表明しました。

また、新しい首相のもとで打ち出される経済対策への期待から、

東京株式市場で日経平均株価は、大台の3万円(終値3万181円21銭)を回復し、

3月18日以来およそ6カ月ぶりの高値水準となりました。


今日の「明治改元の日」を一つの節目として、

これから「天下は明るい方向に向かって治まる」ことを期待したいと思います‥‥。

よくわからない

「ツクゝゝボーシツクゝゝボーシバカリナリ」(子規)

もう今年は、この蝉の鳴き声を聞くことはないのか、と思っていたら、

今日、我が家の庭のヤマモミジから、久しぶりにその鳴き声が聞こえてきました。


さて、自民党の総裁選に関して、今日の日経新聞「政治・外交」欄に、

次のような記事が掲載されていまた。

自民党甘利明税制調査会長は6日のBS日テレ番組で、

 党総裁選に出馬を表明した岸田文雄氏を支援する考えを示した。

 「事情が許せば応援してあげたいという気持ちは正直なところだ」と述べた。

 「能力はある。閣内でも一緒に仕事をした。彼をよく知っているし、すごく人柄のいい人だ」とも強調した。

 甘利氏は同日の国会内での講演で、出馬する意向を固めた河野太郎規制改革相に言及した。

 「菅義偉首相がダメだとたたかれた一番の原因がワクチンの迷走と言われているのに、

 ワクチン担当相の評価が上がるのはよくわからない」と話した。』


はぃ‥、河野太郎規制改革相について、私と同じような感情を持つ国会議員の先生がいらして、

変な言い方だけれど、ちょっと安心した次第です。

そうなんです‥。私も、甘利先生がおっしゃっているように、「よくわからない」のです‥‥。

夢をもう少しだけ

東京パラリンピックも昨日、無事に終了しました。

大会関係者の皆様のご労苦は、大変なものがあったのだろうと拝察いたします。本当にお疲れさまでした。


さて、今日は、久しぶりに阪神タイガースの日記です。

一時は3位まで順位を下げた、我らが阪神タイガース‥‥。

いつもの年なら、このまま二度と浮上することなく、シーズンを終えてしまうところなのですが、

今年の阪神は、実に粘り腰です。

昨日の巨人との試合も、序盤の6点差を諦めることなく、終盤に同点に追いつき、

9回裏にはあわやサヨナラ勝ちか、と思わせるシーンまで演出してくれました。


いゃあ~、もう9月ですよ‥‥。それでも堂々の1位をキープをしています。

あぁ、神様仏様‥‥。もう少しだけ、夢を見させてくださいね‥。どうかよろしくお願いします。