今日(18日)の日経新聞「エコノミクストレンド」は、
柳川範之東大教授の「「誠実な市場」は日本の強み」でした。
柳川教授の論評で勉強になったことが二つあります。
以下、該当部分を引用させていただきます。
まず、一つ目です。
『最近、我が国ではアジアからの来訪者が増えているが、
中国で製造された洋服が日本の小売店で売られ、
それを中国人観光客が購入していくケースがある。
実は、この点にこそ、日本の優位性を理解するカギが隠されている。
このような現象が起きるのは、日本のメーカーや小売店が、
洋服を取引する上で便利で安心な環境を提供しているからである。
ここでは偽物をつかまされる可能性はほとんどなく、契約上のトラブルも少ない。
実は我が国は世界的に見ると極めて「誠実な市場経済」を実現させている。』
次に、二つ目です。
『賃金水準を高める上で必要なのは、
労働の質を高めて発展途上国の労働と差別化を図ることである。
それには今までよりも技能や能力の向上が必要なことは言うまでもない。
しかし、労働の質を構成するのは、実は技能や知識の水準だけではない。
信頼性の高い労働の供給も、労働の質の高さにつながる。
全てを監視しなくても真面目に働く信頼性や、
逐一指示しなくても行われる顧客サービスなども、質の高い労働であり競争力を持つ。
この点は我が国に優位性があり、
日本というプラットフォームの質を高める上でも大きなプラスだ。』
柳川教授は、
日本は、誠実さや信頼感という自ら持つ優位性をもっと自覚し、
それを伸ばしていくことが重要だと指摘されていますが、おっしゃるとおりだと思います。
でも、なかなか長所や短所は、自分では分からないものですよね……。
国としての優位性の自覚にも同じことが言えるのかな……?
ところで、経済学の話とは全く違いますが、
この記事を読んで、メモ帳に書き残した次の言葉を思い出しました。
『偉大なあるものに近づこうとする願い
天職を遂行する使命感
利害得失を越えて働きぬく真摯な心
これこそ日本民族が評価されるゆえんである』
確か、櫻井よしこさんの言葉だと記憶していますが、自信がありません……。
でもなんとなく日本人としての誇りというか、自尊心をくすぐられる名言です。