今月9日の日経新聞「大学」欄には、
「社会で役立つコミュニケーション術」について、
パックンの愛称で知られるタレントで、
日米の文化や生活の違いにも詳しく、東京工業大学で講師の経験も持つ
パトリック・ハーラン氏のお話が掲載されていました。
まず、記事では、ハーランさんのコミュニケーション論のポイントが、
次の3つに要約されていました。
①コミュニケーション能力は訓練で上達する
②相手の立場や感情、価値観を理解して話す
③異文化コミュニケーションを楽しむこと
このうち、2番目の会話術について、ハーランさんは相手の心をつかむには、
「エトス」(人格)、「パトス」(感情)、「ロゴス」(言葉)の3つを
意識して話してほしいと、次のように述べられています。
一番大事なのはエトス。エトスは人格による信頼性。
簡単に言うと、誰がしゃべっているかということ。
次に、パトスは相手の感情に訴えること
笑わせたり、悲しませたり、愛国心をくすぐったりして相手を動かす。
最後に、ロゴスはロジックではなく、言葉の力。
インパクトのあるフレーズを使ったり、3つにまとめてみたり。
何かに例えることも大事。
この記事を読んで、私も社会人になる前の心境を思い出しました。
やはり、一番心配だったのは「職場の人とうまくやっていけるのか」でした。
「初対面の人と果たして会話ができるのか」はその最たるものです。
何せ、人生で最も恐ろしいものは何かと聞くと、
毎年、同じものがトップ3を占めていて、第1位の「死」に続いて、
第2位が「人前で話をすること」だと聞いたことがあります。
(ちなみに、第3位は飛行機に乗ることだったと思います。)
でも、今から社会人生活を振り返って思うのは、
ハーランさんが伝授されているように、
エトスというか、「全人格」をもって話をすることだと思います。
何事も「信は万事の本(もと)」ですよね…。