しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

歴史と物語、そして志操

今日は、町立図書館に行って、11月6日(日)から11月12日(土)までの、

朝日新聞一面コラム「折々のことば」を、まとめ読みしてきました。


この一週間で印象に残ったのは11月10日(木)、降旗康男さんの

「勝ち残った者のイストワールが歴史であり、負けた者、世に入れられなかった者のイストワールが

物語なのではあるまいか」という「ことば」で、

いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。


『イストワールは、歴史とも物語とも訳せる仏語。

 歴史が現在を是とするために過去を再編集するものだとすれば、

 物語は「正しいの偉いの」といったけち臭い了見を拒み、不幸な運命をその起点から語ると映画監督はいう。

 人が時代に押し潰されても守りぬいた志操を忘れまいと。

 浅田次郎の小説「闇の花道」(文庫版)の「解説」から。』


う~む、なるほど‥‥。

英語だと歴史は「ヒストリー」、物語は「ストーリー」だと思うのだけれど、

仏語のイストワールは、両方の意味があるのですね。興味深い解説でした。


ところで、鷲田さんの解説中には、「志操」という言葉がありました。

めったにお目にかからない言葉だけれど、私はこの言葉に「気高さ」といったものを感じます。

今、なにかと問題になっている国会議員の先生方は、この言葉にはご縁がないのかもしれません‥‥。