しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

回顧録という財産

今日は、四週間に一度の泌尿器科病院の通院の日でした。

受診後はいつものように、大街道商店街吉野家でボリューム満点のから揚げ定食を食べ、

松山三越内のジュンク堂書店に立ち寄り、再び伊予鉄道松山市駅に向かうという行動パターンで、

ぐるっと松山市中心部を徒歩で回ると、約6千7百歩近く歩いた計算になります。


さて、ようやく『安倍晋三回顧録』(中央公論社)を読了しました。

故人に対して不謹慎な言い方かもしれないけれど、実に面白い本でした。


本書には、加計学園獣医学部新設問題に関し、加戸守行前愛媛県知事も登場します。

「事の本質は、獣医師会の反対と、

その意向を受けた農水省文科省の岩盤規制があったということでしょう。」という、

安部元総理の歯切れのよい発言もありました。


そのほか、興味深い記述がたくさんありましたが、私は特に、次の二つが印象に残りました。

『外交の基本はリアリズムです。イデオロギーに基づく外交をやっても、誰も付いてきてくれません。

 世界の国々は、いかに国益を確保するかを巡ってつばぜり合いをしているわけでしょう。

 硬直的な考え方にとらわれていたら、結局、国は衰退しちゃいます。』

『次世代の人は育てるものではなく、自然と育ってくるものですよ。~(中略)~

 私は小泉純一郎元首相には、いくつもポストに就けてもらいましたが、育てられたとは思っていません。』


安部元総理の言動や主義主張、思想というものが、このような回顧録という形で残ったことは、

けっして大げさではなく、国家・国民にとっての一つの財産ではないかと私は思います。

その功罪(称えられるべき成果と、咎められるべき過ち。)は、

いずれ歴史が証明してくれることでしょう‥‥。