しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「恬淡と散る」ことの難しさ

お昼過ぎから西風が強くなって、気温も下がってきました。今夜は寒くなりそうです‥。


さて、今日の日経新聞一面コラム「春秋」に、岸田首相に関して次のようなことが書かれていました。

『「恬淡(てんたん)」は日本人好みの態度の一つだろう。

 心がやすらかで無欲なこと。あっさりしていて物事に執着しないさま。広辞苑の説明も恬淡としている。

 お金、名誉、権力――。取りつかれたら身を誤る魔物が跋扈(ばっこ)する俗世間を、

 くぐり抜けてこそ達する境地といえようか。

 和辻哲郎は「風土」のなかで、日本人の国民性を激情と恬淡の二重性格とした。

 台風のような突発的な感情が明治維新をよび、大雪を忍ぶ諦念が淡泊に命を捨てる突撃を生む。

 その象徴が桜だという。慌ただしく華やかに咲きそろうが、執拗に咲き続けることなく、恬淡と散る。

 そんな姿を美徳とする政治家は少なくない。  ~ (中略) ~

 思えば、岸田さんの宏池会には「権力の行使は抑制的に」をよしとした先達の顔が浮かぶ。

 ただ、和辻に言わせれば、日本人の恬淡さは、突発的な高揚と背中合わせの「戦闘的な恬淡」である。

 ~ (以下、略) ~』


ところで、一昨日執行された町長選挙に関して、一つ感じたことがありました。

それは、現町長の「敗北の遠因」は、「4年前の選挙が無投票だったこと」にあったのではないかと‥。

もし、この時、批判票も含めて町民の審判を受けたうえで2期目の町政に臨んでいたら、

今回の選挙でこれほどの大敗はなかったのではないかと‥。

桜のように「恬淡と散る」ことの難しさを、これほど感じたことはありません。残念至極です‥‥。