今月14日付けの「溜池通信」の特集は、
「2012年総選挙と次期政権の行方」でした。
「かんべえ」(吉崎達彦)さんのレポートを読んで、参考になることがいくつかありました。
まず、一つ目は、「冬場の選挙は苦労が多い」ということ。
この季節の寒冷地では人を集めるのはもちろんのこと、ポスター1枚張るのも大変。
ですから、
『高齢化と地方の過疎化が進んだ今の日本では、
「冬場の選挙はなるべくなら避けた方がいい」のではないだろうか』
と指摘されています。
二つ目は、「小選挙区制においては、勝ち馬に乗ろうとするバンドワゴン効果の方が強くなる」
ということ。
どういうことかというと、
『昔の選挙では「アナウンスメント効果」なるものがあって、
不利だと言われた方に同情が集まったけれども、今はむしろ優勢な方に票が行きやすい。
かくして日本の選挙においても、
「どんなに情勢が不利でも自信満々で他党を批判する」という
アメリカ型の手法が主流となりつつある。』
と述べられています。
う〜ん、なるほど。いつもながらの鋭いご指摘です。
もう一つ、私がびっくりしたのが、
このレポートが衆議院選挙投票日の2日前に書かれていて、
今回の選挙には明確な争点がなく、投票率があまり上がらないことを予想されている点です。
結果は、「かんべえ」さんの予想どおり、現憲法下で過去最低の投票率となりました。
やはり、選挙情勢分析のプロは違いますね…。(感嘆)
さて、「かんべえ」さんは、
同じレポートの中で、次期政権へのアドバイスも書かれています。
アドバイスの一つとして、
「経済政策の司令塔として経済財政諮問会議を再起動すべき」と提案されています。
自民党政権時代(小泉総理以降)の「経済財政諮問会議」では、
会議終了後には、議事要旨、配布資料、記者会見要旨がHPで公表されていましたが、
例えば、成長率と金利を巡る白熱した議論など、
その内容はまるで「生きた経済学」のように大変参考になるもので、
今でも私のパソコンの「お気に入り」に登録されたままになっています。
安倍内閣のもとで再開される「経済財政諮問会議」で、
「骨太の議論」が交わされることを、大いに期待したいと思います。