しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

三つの手口

日経新聞の一面では、昨日から「規制 岩盤を崩す」の連載が始まりました。
第一回目は、「改革阻む「3つの手口」」でした。

安倍政権の規制改革会議で議長代理に就いた大田弘子さんは、
省庁と関連業界がそろって強く反対し、長年解決しない規制を
「岩盤規制」と呼んでいるそうですが、
改革を阻む官僚や族議員の典型的な行動パターンが、
牛歩・したフリ・骨抜きという「3つの手口」だといわれています。

記事では、その「3つの手口」を次のように解説しています。

最初は「牛歩戦術」。
改革には着手するが、速やかに動いたりはしない。激変緩和の名前で先送りする。
その例が、一般企業の農業参入に関する規制。
農家と共同で会社を作らないと農地を取得できないなど、ルールが厳しい。

ふたつ目が「面従腹背」。
改革に応じたフリをしつつ、制度の使い勝手を悪くして現状を保つ。
その例が、2003年施行の信書便法。
手紙などの配達を一般事業者にも開放する内容だが、
条件が「週6日以上」配達できる企業であることなど、ハードルが高い。

最後は「骨抜き」。
例外をたくさんつくって効果をすり減らす。
その例が、医療費の保険請求に使うレセプトの電子化。
意志が高齢だったり、レセプト手書きだったりする診療所を除外しているため、
医科診療所の16%、歯科の55%は、いまも紙の請求のまま。

私も地方公務員の端くれなので、
規制改革を阻む「官僚」の行動パターンやその心理は、それなりに理解できます。
別に擁護するつもりは毛頭ありませんが、規制する側としては、
規制を撤廃、あるいは緩和した場合のデメリットを、あれこれと考えてしまうのです。
既得権益を守ろう」と躍起になっているのではないはずですが、
マクロでみると、そのように見えてしまうのかもしれません。

しかし、記事でも指摘しているように、
「規制改革はお金をかけずに新たなビジネスを生む金の卵のようなもの。」
成長戦略に必要なのは、
やはり規制改革が「一丁目一番地」であることは、間違いないと思います。

もうひとつありました。「地方分権改革」もお忘れなく……。