しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

絶望によって何かを生み出す

明日の成人式を前にして、文学紹介者の頭木弘樹さんが、

今日の愛媛新聞に「いつか倒れたときのために」というタイトルの随筆を寄稿されていて、

その最後には、次のようなことを書かれていました。


『‥‥難病(潰瘍性大腸炎)になって私が救いを感じたのは、「変身」などの小説を書いた

 フランツ・カフカのこんな言葉たちだ。

 「生きるとは、たえずわき道にそれていくことだ。本当はどこに向かうはずだったのか、

 振り返ってみることさえ許されない」

 「将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。将来にむかってつまづくこと、これはできます。

 いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」

 いつか倒れたときのために(そんなことはないのがいちばんだが)心のどこかにこの言葉を。

 若い人たちに私が言えるのは、それくらいだ。』


私の手元には今、付箋だらけの頭木さんの著書、「絶望名人カフカの人生論」があります。

カフカの名言には、先の随筆で紹介されたもののほかに、次のようなものもあります。

「人間の根本的な弱さは、勝利を手にできないことではなく、

 せっかく手にした勝利を、活用しきれないことである。」

「ぼくはひとりで部屋にいなければならない。

 床の上に寝ていればベットから落ちることがないように、ひとりでいれば何事も起こらない。」

「誰でも、ありのままの相手を愛することはできる。

 しかし、ありのままの相手といっしょに生活することはできない。」


頭木さんは、著書の中で、

「人は絶望からも力を得ることができるし、絶望によって何かを生み出すこともできる」

とおっしゃっています。この言葉に私は、ずいぶんと元気をもらいました‥‥。

6年前に書いた過去記事を、今日も貼り付けておきます。
miyoshi-s.hatenablog.com