『沈黙の春』(レイチェル・カーソン:新潮文庫)を読了しました。
放送大学のテキスト『哲学・思想を今考える』で、環境倫理を提起した古典として引用されていましたが、
たまたま古本屋で発見するという幸運に恵まれたので、迷わず購入しました。
本書には、次のような印象に残る記述がありました。
『負担は絶えねばならぬとすれば、私たちには知る権利がある。』
『生命をコントロールしようと殺虫剤のような武器に訴えるのは、
まだ自然をよく知らないためだと言いたい。
自然の力をうまく利用すれば、暴力などふるうまでもない。
必要なのは謙虚な心であり、科学者のうぬぼれの余地などは、ここにはないと言っていい。』
『要するに、人間にたいして破格の恩恵をあたえたものが、その目的をいちおう達成するや、
ぎゃくに人間を害する方向へ転じてゆく。ここに文明というものの矛盾があるのだ。
現代における化学薬品こそ、そのジレンマの典型というべきである。』
ちなみに、さきほどのテキストには、次のようなことが書かれています。
『哲学の最初も「驚き」から始まったとアリストテレスは書いていたが、
この畏敬と驚きの感覚は、環境倫理を考える上でも、人間が生きることを考える上でも、
最も根本的なことであろう。』
はぃ、本書は1962年の古典とはいえ、今なお色褪せない内容に満ち溢れていると思います‥‥。
追記
阪神は日本ハムに「1」対「0」で辛勝し、4連敗はなんとか免れました。
9連戦、大変お疲れさまでした。甲子園に帰ったら、本来の力を発揮してくださいね‥‥。