しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

環境倫理の古典を読む

沈黙の春』(レイチェル・カーソン新潮文庫)を読了しました。

放送大学のテキスト『哲学・思想を今考える』で、環境倫理を提起した古典として引用されていましたが、

たまたま古本屋で発見するという幸運に恵まれたので、迷わず購入しました。


本書には、次のような印象に残る記述がありました。

『負担は絶えねばならぬとすれば、私たちには知る権利がある。』

『生命をコントロールしようと殺虫剤のような武器に訴えるのは、

 まだ自然をよく知らないためだと言いたい。

 自然の力をうまく利用すれば、暴力などふるうまでもない。

 必要なのは謙虚な心であり、科学者のうぬぼれの余地などは、ここにはないと言っていい。』

『要するに、人間にたいして破格の恩恵をあたえたものが、その目的をいちおう達成するや、

 ぎゃくに人間を害する方向へ転じてゆく。ここに文明というものの矛盾があるのだ。

 現代における化学薬品こそ、そのジレンマの典型というべきである。』


ちなみに、さきほどのテキストには、次のようなことが書かれています。

『哲学の最初も「驚き」から始まったとアリストテレスは書いていたが、

 この畏敬と驚きの感覚は、環境倫理を考える上でも、人間が生きることを考える上でも、

 最も根本的なことであろう。』


はぃ、本書は1962年の古典とはいえ、今なお色褪せない内容に満ち溢れていると思います‥‥。

追記

阪神日本ハムに「1」対「0」で辛勝し、4連敗はなんとか免れました。

9連戦、大変お疲れさまでした。甲子園に帰ったら、本来の力を発揮してくださいね‥‥。