しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「日本人的存在」を考える

今日は町立図書館に行って、2023年12月31日(日)から2024年1月6日(土)までの

朝日新聞一面コラム「折々のことば」を、まとめ読みしてきました。


この一週間で印象に残ったのは、二つの「ことば」でした。

まず、1月1日(日)は、芥川龍之介

『「お前はこの世界へ生れて来るかどうか、よく考えた上で返事をしろ」

 ‥‥「僕は生れたくはありません」』という「ことば」で、

いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。


『作家が描く河童(かっぱ)の国では、何ごとも人間社会とは逆になっている。

 出産にしても、両親の都合で産児制限をしたりせず、

 父親が母親の生殖器に口をつけ子に出生の意思を問う。

 胎内の子は自分は「河童的存在」を厭わしく思っているので生まれないと応じた。

 辰年の始まりの朝、現代の胎児はこの問いにどう答えるか。小説「河童」から。』


折しも今日の日経新聞に、次のような記事が掲載されていました。

『民間有識者でつくる「人口戦略会議」は9日、

 人口減少下の日本がとるべき戦略「人口ビジョン2100」を発表した。

 政府は2100年に人口が半減し、6300万人程度になると見込む。

 同会議は少子化対策などで8000万人台で安定させる目標をかかげた。

 人口が減っても成長できる社会をめざす。‥‥』


この「日本という国」に生まれてくる胎児は、「日本人的存在」を厭わしく思っているので、

「僕は生れたくはありません」と思っているのでしょうか‥‥?

もしそうであるならば、「日本という国」が世界から消滅しないためにも、

これまで以上に危機感をもって、少子化対策に取り組む必要があるようです‥‥。