しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

〈私〉を象(かたど)る

今日は町立図書館に行って、3月10日(日)から3月16日(土)までの

朝日新聞一面コラム「折々のことば」を、まとめ読みしてきました。

蔵書点検後の久しぶりの開館ということもあって、本を返却する人などで混み合っていました。


この一週間で印象に残ったのは、二つの「ことば」でした。

まず、3月12日(火)は、井上道義さんの

「生まれる場所は選べないけど、終わる場所を選ぶ自由はあるんだよ、人間には」という「ことば」で、

いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。


『人はいつ、どこで、どの家族の許(もと)に生まれるかを、選ぶことはできない。

 が、負わされたその制約を引き受け、ときに強く抗(あらが)いもしつつ、

 それぞれに〈私〉を象(かたど)ってゆく。最期、死の時も自分では選べないが、

 仕事の終わりは自分で決められると、本年末で引退する指揮者は言う。

 選べないことを選ぶなおすところに人生はある? 本紙3月7日夕刊「楽しむ」面の記事から。』


う~む‥‥。

「選べないことを選びなおすところに人生はある?」の「?」は、どういう意味なのかしら?

私には、「選べないことを選びなおす」という文章表現そのものが「?」です。

そして、「〈私〉を象(かたど)る」という文章表現も初めて目にしました。こちらも印象的です‥‥。


追記

「象る・模る」を辞書で引くと、次のような語釈がありました。

①物の形を写しとる。まねる。似せる。②形のないものをなにかの形にうつしかえる。

NHK BSで「舟を編む~私、辞書つくります~」を視聴するようになって、

国語辞典を引くことが多くなりました‥‥。