しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「国語の力」を考える

朝起きてみると、メダカを飼育している軒下の鉢に、カチカチに氷が張っていました。

🔨でないと割れないほどの厚さです。今朝の気温が氷点下以下だったことが、この現象で理解できます‥。


さて、この寒さの中、今日は町立図書館に行って、1月15日(日)から1月21日(土)までの

朝日新聞一面コラム「折々のことば」を、まとめ読みしてきました。


この一週間で印象に残ったのは1月15日(日)です。谷川俊太郎さんの

「朝、家を出てから、学校に着くまであったこと、見たことをきちんと言葉で伝えられればいい。

詩を書くのはそのあとでいいでしょう。」という「ことば」で、

いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。


『劇作家・演出家の平田オリザとの対談が済み、会場にいた若手教師が詩人に、

 今の子どもたちに最も大事な「国語の力」は何かと質問した。

 自由な発想や想像力といった答えを誰もが想像したが、答えはこれ。

 「背筋が伸びる思いだった」と平田はふり返る。

 平田の「日本近代文学にどっぷりつかる日々」(「一冊の本」1月号)から。』


う~む、なるほど‥‥。

私は、「背筋が伸びる思い」まではしませんでしたが、とても重みのある言葉ですね‥。

本当の意味での「国語の力」とは、「自らの言葉で伝えられる力」なのだと理解しました‥‥。


この週は、同じ一面コラム「天声人語」に、印象深い記述がいくつかありました。

その内容と感想は、また明日にします‥‥。

吹雪の様相

一昨日の日曜日に放送されたポッドキャスト

「News Connect(ニュースコネクト)あなたと経済をつなぐ5分間」がとても勉強になりました。


スイス東部で開催されたダボス会議の初日に合わせて、国際NGOオックスファムは、

「生き残る超富裕層」と題する報告書を公表しましたが、

この報告書のなかで、新型コロナウイルスの発生以降に生じた世界の富の3分の2が

富裕層上位1%に集中していると明らかにしました。過去最大規模の貧富の格差に警鐘を鳴らしています。


このことに関連して、経営共創基盤共同経営者の塩野誠さんが、

「気候変動の問題などを話し合うために、億万長者たちがプライベートジェットでダボスにやって来る」、

そんなニュアンスのことをおっしゃっていました。

う~む‥‥。(沈黙) まるで「究極の自己矛盾」、「偽善の極致」のようでもあります‥‥。


さて、今日は、午後3時頃から吹雪の様相を呈してきました。

松前町には、暴風雪警報と波浪警報、雷と低温の注意報が発令されています。

家の中に居ても、まるで冷蔵庫の中のようです。エアコンをかけてもなかなか部屋が暖まりません‥‥。

身構えながら耐え忍ぶ

午後から冷たい小雨が降っています‥。

さらに、日暮れとともに風が吹き始め、気温が急激に下がり始めました。

天気予報によると、明日から今季最強の寒波が襲来するとか‥。

身構えながら、この寒さをじっと耐え忍びたいと思います‥‥。


追記

先月の電気代の明細を見てビックリ仰天しました。

この様子だと、今月もとんでもない金額になりそうです‥。

年金生活者にとっては、おサイフにも厳しく、こちらも耐え忍ぶ日々が続きます‥‥。

未来のために過去はある

町立図書館で借りてきた『歴史の本棚』(加藤陽子著:毎日新聞出版)を読了しました。


1930年代の日本の軍事と外交がご専門の著者は、

本書の「はじめに」で次のようなことを述べられています。

『‥‥日中戦争中の1937年12月、中華民国政府の首都・南京で

 日本軍によって起こされた南京事件について、そのような虐殺はなかったとする言説を

 今に至っても耳にすることなどがあると、日本という国に住む少なからぬ人々は

 歴史に学ぶのがあまり好きではないのかもしれない、との思いにかられることも正直に言えば、ある。

 ただ、自分の国の過去の歴史に人々が必ずしも興味を持てない理由を考えれば、無理もないとも思われる。

 夏目漱石が100年以上前に喝破していた。歴史は過去を振り返る時に初めて生まれ出るものだ、と。

 悲しいかな、今(明治が終わる頃、引用者註)の我々は時間に追われ、瞬時も一カ所に止まれない、と。

 過去を振り返る暇がない我々にとって、過去はなかったことと同じだ、

 つまり、過去は「未来の為に蹂躙」されているのだ、と

 (『定本 漱石全集』第16巻、岩波書店、2019年、364頁)。漱石の見立てはさすがだ。

 だが、漱石の言に感心してばかりもいられない。むしろ、未来のために過去はある、と言いたくて、

 本書『歴史の本棚』に収録した書評は書かれたといえる。』


う~む、なるほど‥‥。「未来のために過去はある」ですか‥。

はぃ、このお言葉を踏まえて、本書を読み進めましたが、いずれの書評も分かりやすくて、

かつ、とても示唆に富む内容でした。読むと、収録された本を購読したくなります‥。

まぁ、本書が町立図書館の蔵書の一冊であることが分かったので、

これからも機会があるごとに閲覧・再読したいと思っています。

最後に、印象に残った次の記述を書き残しておきます‥‥。


『国家間の戦争の究極の目的は、相手国の社会を支えている基本的な原理や秩序=憲法

 書き換えることにあると喝破したのは、18世紀フランスの啓蒙思想家ルソーだった。』

秀逸な番組の「制作秘史」を知る

今月16日(月)にNHKで放映された、映像の世紀バタフライエフェクト「危機の中の勇気」は、

目頭が熱くなる、とても感動的な内容でした。


先日、町立図書館で「文藝春秋創刊100周年二月特大号」を閲覧していると、

この番組のプロデューサーである寺園慎一さんが、

“「映像の世紀菊池寛賞 制作秘話”という記事を寄稿されているのを見つけました。

そこには、次のようなことが書かれていました。


『‥‥「映像の世紀バタフライエフェクト」は、

 2022年4月から毎週月曜日夜10時に放送している番組である。

 「バタフライエフェクト」とは、本来は数学の理論などで使われる学術用語。

 同じ方程式に、ほんのわずかに違う数を入れてみると、

 最終的には全く違う計算結果が生じる現象を指す言葉である。

 私たちの番組では、この言葉に「歴史の連鎖」という意味を込めている。

 茨木のり子の「小さな渦巻」という詩がある。

 「ひとりの人間の真摯な仕事は おもいもかけない遠いところで 小さな小さな渦巻をつくる」

 これが「映像の世紀バタフライエフェクト」が目指そうとしていることである。

 歴史上のひとりの人間の真摯な仕事が、遠いところでどんな渦巻を作ってきたのか。

 誰かが振り絞った勇気、あるいは犯してしまった罪が巡り巡って、積もり積もって、

 大きな出来事につながっていく歴史のダイナミズム。

 それを味わってもらうことを目指したのが、「映像の世紀バタフライエフェクト」である。‥‥』


さらに、記事を読んで、次のようなことも初めて知りました。

・胸が熱くなる加古隆さんの番組テーマ曲の題名は、「パリは燃えているか」であること。

・番組は若者に多く見られていて、学校の歴史授業の教材としても使用されていること。

・番組は、来年度も放映される予定であること。


「奇跡を生む瞬間」を映し出す秀逸なこの番組が、できるだけ長く続くことを願っています‥‥。