私は、二人兄弟の長男として生まれてきましたが、
「兄や姉がいたらいいのになぁ」…と思ったことがありません。
(かわいい妹はほしかったです……。)
というのも、母が九人兄弟の六番目に生まれたので、
従兄や従姉が大勢いて、子どもの頃から、彼ら彼女らと親しく接していたからです。
そのうち、私にとって、姉貴分というべき従姉が二人いて、
それぞれ東京と大阪に住んでいますが、その二人には今でも頭が上がりません。
まるで本当の姉貴のようです。
東京の従姉には、
私が大学生活を送っていた五年間、大変お世話になりました。
一週間のうち、必ず一日は夕食をご馳走になりました。
従姉の旦那さんも気さくな方で、お酒がめっぽう強く、
晩酌のお供をさせてもらいに、従姉の家に足繁く通ったものです。
また、従姉が家族旅行をする際には、私にもお誘いが掛かり、
東京近郊のいろいろな場所に連れて行ってもらいました。
なかでも思い出すのは、
従姉の親友の「N子さん」が嫁いだ信州に、皆でスキー旅行に行ったことです。
「N子さん」の嫁ぎ先は、お寺の長男さんで、皆でそのお寺に宿泊しました。
信州の冬は底冷えが厳しく、南国生まれの私には想像を絶する寒さでした。
昨日の夜、その東京の従姉から、久しぶりに電話がありました。
電話の内容は、「N子さん」が先月、肺がんで亡くなったとのことでした。
65歳という、若すぎる死でした。
「N子さん」とは、平成8年の9月に、
従姉の長女の結婚式で、大学卒業後、何十年かぶりの再会を果たしました。
その際には、「Sちゃん、長野にもまた遊びにきてね!」と声をかけていただきました。
「N子さん」のご主人は、若くしてお亡くなりになりましたが、
お二人の娘さんがいらっしゃるとのこと……。
お会いしたことはありませんが、
お母さんに似て、きっと気が優しく、美人さんだと思います。
遠い愛媛の地から、「N子さん」のご冥福を心からお祈ります。
合掌……。