しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

論文・レポート・論考・論評

オンデマンド経済と水道哲学

今月9日付けの「溜池通信」の記事中、 <今週のThe Economist誌から>は、 ”Workers on tap” 「労働力の水道哲学」でした。エコノミスト誌の<抄訳>の前段で、 「かんべえ」さんが次のようなコメントを述べられていました。『急速に発達中のオンデマンド経…

内部留保?それとも賃金?

時事通信社の配信記事によると、 麻生財務大臣が今月5日の信託協会の新年賀詞交歓会で行ったあいさつで、 企業の内部留保蓄積が328兆円にまで膨らんでいることを指摘し、 「まだカネをためたいなんて、ただの守銭奴にすぎない」とその「体質」を批判した…

早い者勝ち?

日本銀行の黒田総裁が、クリスマスの25日に 日本経済団体連合会審議委員会において講演された内容を日銀HPで読みました。 演題は、『「2%」への招待状』です。この講演のなかで黒田総裁は、私が普段、疑問に思っていることを、 「日銀としても耳にして…

「国民性」に思うこと

文科省所管の統計数理研究所が、「日本人の国民性調査」の結果を発表しています。 調査結果のポイントは、同所のHPで次のように簡潔にまとめられていました。 1 日本人の長所として「礼儀正しい」「親切」が過去最高 2 もう一度生まれ変われるとしたら日…

経済成長力の主役

いささか旧聞に属する話となりましたが、 今月8日に日本銀行の黒田総裁が、 「日本経済:慎重論に答える」と題して講演された邦訳を読みました。今日14日の日経平均株価が、 欧州を中心とした世界景気の先行きに対する警戒感から、 2か月ぶりに1万5千…

変幻自在の日本語

文化庁の2013年度「国語に関する世論調査」に関する記事が、 今日(25日)の日経新聞に掲載されていました。毎年、この世論調査の結果を楽しみに読んでいますが、 今回は、初めて造語の調査を実施していました。調査によると、電子レンジで加熱する意味…

知価社会という文明変化

今月1日の日経新聞「経済教室」は、「少子化対策を考える㊤」、 タイトルは「戦後の倫理・制度 大変革を」で、 執筆者は経済評論家の堺屋太一さんでした。堺屋さんは、少子高齢化と人口減少は最も重大な長期問題であるけれども、 ちまた唱えられている対応…

組織とキャリア観

今月15日の日経新聞「経済教室」は、「人事の経済学」の第4回目で最終回。 執筆者は竹内規彦・早稲田大学准教授で、 論考のタイトルは『「多様な個人」生かす組織を』でした。一言で「キャリアの成功」といっても、内容に差があるのは、 その捉え方が個々…

不都合な情報の発信

今月14日の日経新聞「経済教室」は「人事の経済学」の第3回目。 執筆者は服部康宏・横浜国立大学准教授で、 論考のタイトルは『企業の「本音」が人材つかむ』でしたが、 内容はとても示唆に富むものでした。まず驚いたのは、米国では、 「募集」「選抜」…

前近代的規範からの卒業

今月12日の日経新聞「経済教室」は、「人事の経済学」の第1回目、 執筆者は石田潤一郎・大阪大学教授で、 論考のタイトルは『革新阻む新卒一括採用』でした。新卒一括採用という日本特有の雇用慣行が 社会構造や規範に与える影響について論点を整理した論…

長期停滞論と遊びの経済学

景気回復途上の米国で話題となっている「長期停滞論」について、 その代表的論者であるサマーズ・ハーバード大学教授の主張を、 今月25日付けの「溜池通信」で「かんべえ」さんが、 次のように簡潔に要約されていて、大変参考になりました。 ・リーマンシ…

理解能力の限界

今月23日の日経新聞「経済教室・エコノミクストレンド」は、 柳川範之・東大教授の『供給能力の天井克服を』でした。先進国が潜在成長率の壁に直面している原因について、 柳川教授は、考えられる原因は2つあり、 「1つは機械との競争で、もう1つは新興…

歴史は繰り返す

今週の日経新聞「経済教室」では、 第1次大戦の教訓について、専門家お二人の論考を掲載していました。 記事によると、第1次世界大戦開戦の100周年を契機として世界規模で歴史を見直し、 その教訓を学ぼうという試みが活発に進められているそうです。お…

人口減と財政難

今月14日の日経新聞「経済教室」は、 福田慎一・東京大学教授の『米低成長の陰に需要不足』でした。福田教授の論考によると、 先進各国で成長率の鈍化が顕著となるなかで、 長期停滞論に関する議論が活発となっているそうです。人類は産業革命後の250年…

成長がない社会

6月27日のこの日記で、 佐伯啓思・京大大学院教授の論評を取り上げ、 「脱成長戦略」のその先に明るい未来があるのか、疑問を呈したところですが、 今月11日の「溜池通信」で、「かんべえ」さんが、 「成長」がないと仮定するとどうなるかについて、分…

死の恐れ

第一生命経済研究所が、『自分の死と大切な人の死の恐れの比較検討』という、 一目見ただけで興味を引かれるようなレポートを公表しています。全文にはまだ目を通していませんが、 レポートの要旨には、とても示唆的なことが書かれていました。 それは次のよ…

生活スキルとしての金融リテラシー

金融広報中央委員会に設置されている「金融経済教育推進会議」が、 「金融リテラシー・マップ」を公表しています。マップの副題には、「最低限身に付けるべき金融リテラシー」と書かれていて、 その内容は、「家計管理」「生活設計」 「金融知識及び金融経済…

勉強すること、思考すること

集団的自衛権行使をめぐる議論が山場を迎えているようです。今日(11日)午後の党首討論で安倍首相は、 集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈変更について、 「真剣な議論の結果、政府として立場を決定し、閣議決定する」と述べ、 強い意欲を表明した、と…

若者の意識と国の将来

内閣府が「平成25年度我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」を公表しています。この調査は、平成25年11から12月までの間に、 日米韓と、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの計7カ国で実施、 各国で13〜29歳の男女約1000人を対象にW…

悪印象を断ち切るには

現在の日中関係を考えるうえで、 今月16日付けの「溜池通信」の特集記事は、大変参考になりました。特に参考になったのは、 『日中関係は本当に「政冷経冷」になったのか』についての次の記述です。 以下、メモにして残しておきます。『 〜(略)〜 今では、…

流れは変えられる

政府の経済財政諮問会議が設置した 「選択する未来」委員会の報告書概要版(これまでの議論の中間整理)を読みました。 A4で4ページなので、すぐ目を通すことができます。そこには、現状のまま何もしない場合の未来像が書かれていました。 我が国は、今後…

情報を吟味する

「人間心理は、わからないよりもわかる方が安心できるので 不確かなことを回避するように働く」というのが、 行動経済学の分野で有名な「エルスバーグの逆説」の内容だそうです。今月12日のニッセイ基礎研究所「研究員の眼」に掲載された、 『真の不確実性…

ナショナル・レジリエンス

独立行政法人経済産業研究所から、 『経済レジリエンスの構築と経済成長』というレポートが公表されています。全文を読んだわけではありませんが、 有難いことに、レポートの冒頭には次のような要旨が掲載されていて、 アウトラインを理解するうえでとても助…

価値の創出

毎年のことながら、連休明けの出勤は気が重たかったです。 でも、毎日一生懸命働いているからこそ、連休の有難味が分かるものですよね…。さて、今月2日の日経新聞「経済教室」は、『イノベーションの条件㊥』、 延岡健太郎・一橋大学教授の『市場より「顧客…

自由を護る覚悟

今日24日の産経新聞「正論」には、 久しぶりに、雪斎先生こと櫻田淳・東洋学園大学教授の論評が掲載されていました。 論評のタイトルは、『「当てになる」米同盟国をめざせ』でした。雪斎先生は、 オバマ大統領の今回の日本を含むアジア4カ国歴訪には、 …

成長戦略の王道

『貿易赤字論議めぐる2つの誤り』と題する論評を、 竹中平蔵・慶応大学教授が、今月22日の産経新聞「正論」に投稿されていました。竹中教授は、円安にもかかわらず輸出が伸びず貿易赤字が拡大しているのは、 原発停止に伴う化石燃料の輸入増大が主要因(だ…

複雑怪奇な国際情勢

今月15日から17日まで3日間、 日経新聞「経済教室」に「揺らぐ国際秩序」というタイトルの論考が掲載されました。有識者のそれぞれ論考の中で、特に印象に残った記述を、 いつものように、この日記をメモ代わりにして残しておこうと思います。○田中均・…

経済成長の源泉とは

寒い日が続いています。今度の職場は、別館の2階。 ところが、1階は駐車場で、足元から寒気が襲いかかります。 う〜ん、どうも職場環境には恵まれない宿命みたいです。さて、今日7日の日経新聞「経済教室」は、 「日本の潜在力」の第1回目、 吉川洋・東…

正しく恐れる

今月7日の日経新聞「経済教室」は、 アーサー・ウォルドロン・ペンシルベニア大学教授の 『日米中関係の行方㊦〜米国との同盟、過信は禁物』でした。この論考を読んで、背筋が寒くなりました。 ウォルドロン教授の論旨を、紙面掲載の「ポイント」を参考にし…

貴重な情報源

庁舎には半旗を掲げ、午後2時46分には黙祷を捧げました。 東日本大震災から今日で3年です。私は、被災地をこの目で直接見たことはありませんが、 これまでの報道等を見て、聞いて、そして感じたことは、 将来、震災の年に生まれた孫娘に必ず伝え聞かせた…