しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

読書・文学

これも一つのゲン担ぎ?

『そして父になる【映画ノベライズ】 』(是枝裕和、佐野晶 著:宝島社文庫)を読了しました。とても面白い本だったので、少し夜更かしをして、一気に読んでしまいました。 本書は【映画ノベライズ】ということなのですが、実は私は、映画そのものは観ていま…

思わぬ掘り出し物

今日は午前中、菩提寺の寺費の集金のため、ご近所の檀家を訪問しました。事前に集金予告の文書を配布していたため、スムーズに事が運びました。これで今年の世話役の仕事がほぼ終わりました。再来年は、町内会の組長の役割が回ってきます。 さて、『本の読み…

貴重な敗者の記録

町立図書館で借りてきた『WHAT HAPPENED 何が起きたのか?』(ヒラリー・ロダム・クリントン著、髙山祥子訳:光文社)を読了しました。本書は、2016年の米国大統領選挙において、民主党の大統領候補となった著者が、「何を考え、何を感じていたか」につ…

「矜持」を感じさせる一冊

朝目が覚めると雨が降っていました。久しぶりの雨で、草木にとっては恵みの雨になったように思います‥。 さて、『文にあたる』(牟田都子著:亜紀書房)を読了しました。10月9日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」で、校正者である牟田さんの「ことば…

「宇宙船地球号」はどこへ行く?

『危機と人類・(上)(下)』(ジャレド・ダイアモンド著:日本経済新聞出版社)を読了しました。 本書では、「国家的危機の帰結に影響を与える12の要因」を、次のとおり仮定しています。1自国が危機にあるという世論の合意 2行動を起こすことへの国家…

「伝記」でもあり「教科書」でもある一冊

お昼過ぎから、少しまとまった雨が降りました。こちらで雨が降ったのは、久しぶりのように思います‥。 さて、長く積読状態にあった『経済学の宇宙』(岩井克人著:前田浩之聞き手)を、ようやく読み終えることができました。読み終えた本書は、付箋だらけに…

私にはちょっと退屈な本

町立図書館で借りてきた『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略(リンダ グラットン、アンドリュー スコット著:東洋経済新報社)』を読了しました。 同じ記述の繰り返しが散見され、私にはちょっと退屈な本でした。「FACTFULNESS」を読んだ時のような、知的刺…

新しい目で物事を眺める

町立図書館で借りてきた『サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福』(ユヴァル・ノア・ハラリ著:河出書房新社)を読了しました。本書の中で、印象に残ったいくつかの記述を、次のとおりこの日記に書き残しておきます。 ・宗教は、超人間的な秩序の信奉…

時間の無駄遣い

町立図書館で借りてきた『ベストセラー炎上~妙な本が売れる変な日本』(西部 邁、佐高 信著:平凡社)を読了しました。サピエンス全史(下)と一緒に借りてきた本で、こちらの方を先に読むことにしましたが、正直、実に後味の悪い本、大衆をバカにした本で…

「秋分の日」の雑感

今日は、二十四節気の「秋分」で、秋彼岸の中日でもあります。午前中、ご先祖さんのお墓参りをし、お線香を手向け、そして、父の一日も早い快復を祈りました‥‥。 さて、町立図書館で借りてきた『サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福』(ユヴァル・ノ…

豊富な知的財産から生まれるもの

身構えていた台風14号の影響もそれほどなく、無事に一日が過ぎ去ろうとしています。時折、思い出したように強い風が吹き、雨は思っていたほどには降りませんでした。でも、油断は大敵です‥。自然災害は何が起こるか分かりませんものね‥‥。(午後5時過ぎか…

「高嶺の本」?

今日も厳しい暑さとなりました‥。西日が当たる和室は、日中、33℃を超えていました。とても9月中旬の気温とは思えません‥‥。 さて、今日はこの暑さの中、町立図書館に行って、9月4日(日)から9月10日(土)までの、朝日新聞一面コラム「折々のことば…

不思議な読後感

町立図書館で借りてきた『月の満ち欠け』(佐藤正午著:岩波書店)を読了しました。 そもそも本書は、輪廻転生の本なのでしょうか? 不思議な読後感が残った本でした。「謎に満ちた本」という点では、三島由紀夫の「豊饒の海」と共通点があると感じましたが…

「国がなかった国」の物語を読む

時々晴れて、時々雷が鳴って、時々雨が降って‥‥。今日は変なというか、不安定な天気でした。 さて、町立図書館で借りてきた『物語 ウクライナの歴史~ヨーロッパ最後の大国』(黒川祐次著:中公新書)を読了しました。本書には、印象に残る記述が三箇所あり…

「生きていくための知恵」を学ぶ

『哲学と宗教全史』(出口治明著:ダイアモンド社)を読了しました。結論から先に言うと、実に素晴らしい本でした。座右の書がまた一冊増えたように思います。この日記に書き残しておきたいと思うのは、本書の「おわりに」における、著者の次のような記述で…

孫娘の課題図書を読む

孫娘が、夏休みの宿題である読書感想文を書くために町立図書館から借りてきた『しずかな魔女』(市川朔久子著:岩崎書店)という学校課題図書の返却を、妻から依頼されました。 それほど厚くない本で、パラパラとページをめくって拾い読みしていたところ、な…

「村上ワールド」に浸る

町立図書館で借りてきた『職業としての小説家』(村上春樹著:スイッチ・パブリッシング)を読了しました。いゃあ~、とても面白くて、しかも奥深い「自伝的エッセイ」でした。本書の中でも、特に印象に残っているのは、「小説家・村上春樹」の「誕生のエピソ…

資本主義という「化け物」

『千夜千冊エディション 資本主義問題』(松岡正剛著:角川ソフィア文庫)を読了しました。松岡さんの「感想」が書かれた箇所を、いくつか本書から抜き出してみました。 ・ぼくは複式簿記が広がった理由のひとつとして、この記帳性には一種の哲学あるいは神学…

村上龍さんの「箴言集」

町立図書館で借りてきた『無趣味のすすめ』(村上龍著:幻冬舎)を読了しました。 2009年4月第三刷発行の古い本でしたが、書かれている内容は今でも十分に通用すると思います。そして、この本は、龍さんのエッセイというよりも、「箴言集」に近いと感じ…

意外な一冊?

町立図書館で借りてきた『世界を変えた10冊の本』(池上彰著:文藝春秋)を読了しました。この本で紹介されている「10冊の本」は、次のとおりです。 「アンネの日記」(アンネ・フランク)、「聖書」、「コーラン」、「プロテスタンティズムの倫理と資本…

年をとることの醍醐味

夜明け前に、雷のけたたましい音とともに、激しい雨が降りました。それは、「一夜、沛然(はいぜん)として大地を打つ豪雨」のようでした‥‥。 さて、町立図書館で借りてきた『人生は愉快だ』(池田晶子著:毎日新聞社)を読了しました。本書の第一章は、「死…

「できることは自分でやる」「できることを楽しむ」

『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』(多良美智子著:すばる舎)を読了しました。 買い物帰りに立ち寄った書店の、お薦めのコーナーに置かれていて、面白そうなので購入したのですが、実際に読んでも抜群に面白く、時間がたつのも忘れて、一気に読…

「日本の危機」を考える

町立図書館で借りてきた『老人支配国家 日本の危機』(エマニュエル・トッド著:文春新書)を読了しました。 本の背表紙の、過激な(?)題名だけを見て借りてしまい、「老人支配国家」について書かれているのは、本書のごくわずかであることに、後で気が付…

適当でいい加減の格好よさ

町立図書館で借りてきた『チョンキンマンションのボスは知っている~アングラ経済の人類学』(小川さやか著:春秋社)を読了しました。 本書は、「チョンキンマンションのボス」と呼ばれるタンザニア人のカラマを中心に、香港に住むアフリカ系ビジネスマンた…

「心の背骨」を見つけるには

日経新聞「読書」欄の「リーダーの本棚」は、私のお気に入りの連載の一つです。今日の「リーダーの本棚」は、東原敏昭・日立製作所会長でした。 記事の冒頭部分で、東原会長は、「自分はどんな人間なのか。何を見聞きしても揺るがない「心の背骨」をいかに見…

「自由とはなにか」を考える

NHKテレビテキスト、100分de名著「安部公房~砂の女」を読了し、同時にテレビ番組の視聴も終えました。テキストの執筆者で番組の指南役は、漫画家で文筆家のヤマザキマリさんでした。 テキストでヤマザキさんは、次のようなことを述べられています。…

近代社会の元の元

町立図書館で借りてきた『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎、大澤真幸著:講談社現代新書)を読了しました。以前から読みたかった本です。 本書で印象に残った個所を、橋爪先生の次の二つの発言に絞って、書き残しておきたいと思います。『一神教の神は、自…

6つの短編小説

町立図書館で借りてきた『女のいない男たち』(村上春樹著:文春文庫)を読了しました。6つの短編小説それぞれに、次のような印象に残る記述やセリフがありました。 『家福に言わせれば、世の中には大きく分けて二種類の酒飲みがいる。 ひとつは自分に何か…

「3文字」の日本人論

昨日、高松地方気象台から、「四国地方が梅雨入りしたとみられる」との発表がありました。平年と比べ8日遅く、1951年の統計開始以来、5番目に遅い記録だそうです。この梅雨入り発表のとおり、今日は終日、雨が降ったり止んだりの、ぐずついたお天気と…

物事の本質を理解する

『日本人のための第一次世界大戦史』(板谷敏彦著:角川ソフィア文庫)を読了しました。 『もういちど読む山川日本近代史』において、「第一次世界大戦と日本」について割かれているページは16ページですが、本書は全部で約500ページ近くのボリュームに…