しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

読書・文学

「先見性」と「懐の深さ」

町立図書館で借りて来た『SHOE DOG(シュードッグ)~靴にすべてを。』(フィル・ナイト著:東洋経済新報社)を読了しました。2018年の「ビジネス書大賞」受賞作品です。 印象に残ったいくつかの記述を、次のとおりこの日記に書き残しておきます…

生き延びる唯一の道

町立図書館で借りて来た『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子著:東洋経済新報社)を読了しました。本書は、2019年ビジネス書大賞の受賞作です。 本書のカバーには、次のように書かれていました。『大規模な調査の結果わかった驚愕の実態 ー…

希望と楽観は異なる

天気予報のとおり、午後3時過ぎから雨が降り出しました。今は「雨雲レーダー」なるものもあって、ほぼ正確な予報が時間単位で得られるようになりました。 さて、今日で11月も終わりです。朝日新聞デジタル版の無料会員は、月5本に限って有料記事を閲覧す…

「分断」を融和する「精神の光」

今日の日経新聞「文化」欄に、亀山郁夫・名古屋外国語大学長が、『世界とドストエフスキー』という随想を寄稿されていました。そのなかで亀山先生は、次のようなことを述べられていました。 『‥‥では、世界に遍(あまね)く広がるドストエフスキー人気の秘密…

444ページの大作

町立図書館で借りて来た『女帝 小池百合子』(石井妙子著:文藝春秋)を読了しました。「第52回(2021年)大矢壮一ノンフィクション賞」の受賞作品とのことで、書棚から迷わず選んだのですが、その賞にふさわしく、迫真に迫る内容で、一気に読んでしま…

「世界の姿」と「自分の姿」

久しぶりにまとまった雨が降り、その雨が止むと、今度は強く冷たい西風が吹くようになりました。これから気温が下がって寒くなりそうです。 さて、町立図書館で借りて来た『FACTFULNESS(ファクトフルネス)~10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を…

赤い花黄色い花

2016年に「山田風太郎賞」を受賞したという『罪の声』(塩田武士著:講談社)を、町立図書館で借りてきて読みました。 著者によると、本書はフィクションだけれど、『モデルにした「グリコ・森永事件」の発生日時、場所、犯人グループの脅迫・挑戦状の内…

結果オーライです

町立図書館で借りて来た『ノーサイド・ゲーム』(池井戸潤著:ダイアモンド社)を読了しました。 アマゾン「Prime Video」で観たTVドラマ『陸王』(池井戸潤原作)がとても面白かったので、原作を読んでみようと思い、町立図書館に出向いたところ、実際に…

志を高く持つ

『ルワンダ中央銀行総裁日記』(服部正也著:中公新書)を読了しました。『ぼくはこんな本を読んできた』(文藝春秋)を読み返していて、立花隆さんが、次のように書かれていたことを改めて発見したのが、購読のきっかけです。 『‥‥この場合、文庫、新書など…

「読みたい本」がまた一冊

アマゾンの「Prime Video」で、「陸王」(池井戸潤原作)を数日間かけて視聴しました。実に面白い、というか、爽快なTVドラマでした。特に、第10話の最終回は、次から次に涙が流れて止まりませんでした。それほど感動しました。 池井戸さんの小説は、こ…

どの作品を読もうかしら‥

冷たい雨が降って寒かった昨日とは打って変わって、今日はよく晴れて穏やかな一日となりました。最高気温も昨日から7度近く上昇して、22℃になったみたいです。 さて、NHKテレビテキスト、100分de名著「ヘミングウェイスペシャル」を読了し、同時…

キリスト教の基本を学ぶ

吹く風が冷たく、一気に秋がやってきました。これが今の時期の本来の気候なのでしょうね。ただ、こんなにいきなり冷え込むと、何を着ていいのか戸惑ってしまいます。 さて、『学びのきほん キリスト教の核心をよむ』(山本芳久:NHK出版)を読了しました…

知的好奇心と小宇宙

先日購入した『永久保存版 「知の巨人」 立花隆のすべて』(文春ムック)を読んでいて、『立花式読書論、読書術、書斎術 ぼくはこんな本を読んできた』(文藝春秋)と『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』(文藝春秋)…

「戦後」を考えるうえでの原点

『敗戦後論』(加藤典洋著:ちくま学芸文庫)を読了しました。別冊NHK100分de名著『ナショナリズム』で、社会学者の大澤真幸さんが、この本のことを取り上げられていたのが購読の動機でした。著書の思想は、次のふたつの文章に最も端的に表れている…

色褪せることのない力

スポーツ・ノンフィクションの金字塔、『敗れざる者たち』(沢木耕太郎著:文春文庫)を読了しました。著者の本を読んだのは、『テロルの決算』『危機の宰相』に次いで、これで三冊目となります。 「勝負の世界に何かを賭け、喪っていった者たち」という主題…

「自覚」が足りない‥‥

今日の日経新聞「読書」欄の「リーダーの本棚」は、翁百合・日本総合研究所理事長でした。翁さんの座右の書は、河合隼雄さんの「こころの処方箋」とのことで、次のようなことを書かれていました。 『座右の書は河合隼雄さんの「こころの処方箋」です。 気づ…

切なくも堂々たる武道家の評伝

二段組で701ページもあった長編のノンフィクション『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(増田俊也著:新潮社)を、長い時間をかけて読み終えました。 先月21日付けのNIKKEIプラス1「何でもランキング」は、「アスリートの軌跡 壮大な物…

苦しみの中の宝石のような言葉

NHKテレビテキスト、100分de名著『戦争は女の顔をしていない~アレクシエーヴィチ』を読了し、同時に、番組の視聴も終えました。「戦争は女の顔をしていない」は、第二次世界大戦中、ソ連軍に従事した女性たちの姿を、500人を超える証言者の声に…

我とひとしき人しなければ

Kindle端末で、長編歴史小説『樅の木は残った~全巻セット』(山本周五郎著)を読了しました。 読み応えがあり、しかも名言が盛りだくさんの、私好みの本でした。その中でも、強く印象に残ったのは、松山の館主・茂庭周防(もにわすおう)と主人公・原田甲斐…

死生の体験の重みと余情

雲の間から薄日が差し、気温も比較的涼しかったので、今日は午前中にウォーキングをしました。まとまった距離を歩くのは、随分と久しぶりのことでした。 さて、Kindle端末で、『戦艦大和ノ最期』(吉田満著:講談社文芸文庫)を読みました。文語体で書かれて…

「終戦の日」の雑感

ここ数日、梅雨末期のように降り続いていた雨も、今日はようやく止んで、午後2時過ぎからは、久しぶりに太陽が顔をのぞかせました。やはり、夏は夏らしい天気がお似合いです。 さて、「終戦の日」の今日、日経新聞に掲載された「敗戦の教訓は今の日本にも通…

「夏の甲子園」初勝利!

東京オリンピックが終わったと思ったら、今日から1日遅れで「夏の甲子園」が始まりました。 その大会初日の第2試合で、愛媛県の新田高校が静岡県の伝統校・静岡高校と対戦し、4対2で勝利しました。「夏の甲子園」での初勝利、おめでとうございます。この…

事件の本当の主犯とは

『危機の宰相』に引き続き、町立図書館で借りてきた『ロッキード』(真山仁著:文藝春秋)を読了しました。 ロッキード事件で田中角栄元総理が逮捕されたのは、1976年(昭和51年)7月で、当時、私は大学2年生でした。元総理の逮捕や関係者の国会証人…

「よき敗者」による「よき時代」

町立図書館で借りてきた『危機の宰相』(沢木耕太郎著:魁星社)を読了しました。 本書で「解説」を書かれている御厨貴さんのお言葉をお借りすれば、本書は、「池田勇人、田村敏雄、下村治」という人生航路の敗者三人が、「所得倍増」を目標として掲げ、一人…

罰がなければ、逃げるたのしみもない

書棚の奥に眠っていた『砂の女』(安部公房著:新潮文庫)を読了しました。私が買った本ではないので、たぶん娘が買ったのだと思います。 名作の誉れ高い本とのことでしたが、その評判のとおり、とても読みごたえがありました。現実には、このようなことは起…

「老い」という冒険

NHKテレビテキスト、100分de名著『老い~ボーヴォワール』を読了しました。テキストの執筆者は、社会学者で東京大学名誉教授の上野千鶴子さんです。印象深い記述が多かったテキストの中で、どうしても一つ挙げるとすれば、「老いという冒険」の章の…

電子書籍に初挑戦

先日のアマゾン・プライムデーでKindle端末を購入したので、電子書籍を試しに購入してみました。最初に選んだのは、『日本の思想』(丸山真男著:岩波新書)です。この名著は、岩波書店「図書」(臨時増刊2018)の「はじめての新書」でも、多くの識者の…

新書の名著を読む

最近、新書の名著を2冊、読み終えました。『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一著:講談社現代新書)と『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤未果著:岩波新書)の2冊で、いずれも岩波書店「図書」(臨時増刊2018)の「はじめての新書」で、評価が高かったもの…

「平成デモクラシー」を振り返る

長い間、積読状態にあった『平成デモクラシー史』(清水真人著:ちくま新書)を読了しました。著者が執筆された「官邸主導~小泉純一郎の革命」、「経済財政戦記~官邸主導小泉から安部へ」、「首相の蹉跌~ポスト小泉 権力の黄昏」、「消費税~政と官の「十…

「本の価値」を考える

NHKテレビテキスト、100分de名著『華氏451度~レイ・ブラッドベリ』は、今月4日に読み終えて、その感想文をこの日記に書いたところですが、昨日、NHKEテレで放映された『第3回 自発的に隷属するひとびと』を視聴してみると、「本の価値」に…